プロヴァンス田舎れぽーと!海外移住×田舎暮らし

南フランスのド田舎に嫁いで子育て!毎日バタバタしながら田舎暮らしを満喫している日々のこと

イノシシの丸焼きが焼かれる極寒バースデーパーティ

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メディチの幼馴染マックスが40歳の誕生日を迎えるとのことで、バースデーパーティに招待された私たち。息子とその時たまたま遊びに来ていたメディチの親友バティと連れ立って向かうと、すでに周囲のぶどう畑の脇に車が10台以上駐車されていた。遠くからでも自ずと分かる会場、マックスの自宅。こんな風に勝手に止めていいのかなーなどと常識人的には気になりつつも、とにかく同じように駐車して建物の方に向かった私たち。

え…?外?

その日は寒かった。外は風も強く、気温も3℃くらい。そんな寒空の下にダウンやニット帽をかぶった人々が群れているじゃありませんか…気は確かか!みんな楽しそうにおしゃべりに夢中になっている。ほんと、みなさんおしゃべり好きだよね。

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ワインを中心とした飲み物や手作りのキッシュやピザが用意されていて、お腹も空いていたのでいくつか食べてみたものの、完璧に冷え切っている。冷蔵庫から出したばかりのような冷たさだ。室内にはきちんとテーブルも用意されているのに、なぜ…なぜ今外を選んだのか。

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美味しいけど…冷たい

イノシシの丸焼きがぐるぐると

何人かとおしゃべりしつつもしばらくすると徐々に体が冷え込んできた。ふと横を見ると一緒に来たバティも寒そうだ。「なんで外なんだろうね、寒いよね?私慣れてないからきついよ」と話してみると「俺も。なんで外なんだろ」とバティも同意している。彼は大きめな街に住んでいてインドアな人だから寒い屋外とかはノンメルシーなタイプ。だよね、私だけじゃないよねそう思ってるの!

「あっちでイノシシ焼いてるから見に行こうよ!」メディチが元気にやってきた。さすが彼はこの辺の人だ、寒いのとか気にならないらしい。てか、え?イノシシ?

行ってみると確かに、何か動物がぐるぐると焼かれている。個人のバースデーパーティで丸焼きが出るなんて想像してなかった。このぐるぐる回す専用機械とかどこから来たんだろう。すごい、恐るべし田舎の調達力。焼かれるイノシシの脇に立っていると煙たいけどだんだん暖かくなってきた。

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ハーブのタイムでできた箒のようなもので油を塗る

イノシシはパーティ向き

この辺は森が多く野生のイノシシがかなりいる。人の住む場所にも結構来るようで、今年の夏は私の住む家の近くまできて「フゴフゴ」と鳴き声が聞こえたくらい。メディチのお母さん(80歳)は道路でイノシシを跳ね殺しちゃって、ほっとくのももったいないので持って帰って食べたという逸話もある。

狩りが季節によっては日常的に行われていて、ハンターの友達がいたら余った肉をたくさんもらえるのでこんな感じの大人数のパーティではローコストで提供できるからうってつけだ。しかし丸焼きともなると焼くにもかなりの時間がかかるので、きっと朝から焼いてるんだろう。お疲れ様です。

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暖かいのはいいけど煙が目にしみて辛いので、焼かれるイノシシから離れた私たちはまた寒さに苦しむことに。もう着いてから2時間が経っている。この愛すべき田舎人たちはいつまでこうしているのだろう。メディチも寒さを物ともせずおしゃべりに花を咲かせているので中に入ろうよとも言えずに耐えていると、息子が室内へのドアに向かって進み出した。えらい!君は正しい!そうだ、中に入ろう!そうしてバティと息子を賞賛しながら室内へ逃げ込むことに成功したのだった。 

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暖かい室内を満喫

あぁ、暖かい。室内は天国

中にはすでに何人か賢人がいて暖かさを満喫していた。息子と楽んでいると、外から人がわらわらと入り始めた、肉が焼けたようだ。やっとパーティ本番(?)が始まるらしい。テーブルに座るとナイフやフォークが用意され、大きな肉の塊も回ってきた。かなりお腹も空いていたのでがっつく私たち。じっくり焼かれたイノシシの肉は柔らかく、実に美味だった。

お腹かが膨れてしばらくするとこのパーティにも飽きてきた。こういったパーティはかなり長いのでうまく切り上げるのも大切だ。脱出の機会を探るメディチ一行。タイミングよく息子がぐずったりしたので「もうこの子疲れちゃったんですー」とすかさず周囲にアピール。

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主役の挨拶を聞いて満足

少し経った頃、フランス語でハッピーバースデーの歌の合唱。主役のマックスが椅子に立って挨拶を始めた。周りはみんな酔っ払ってるので、脱げ脱げー!などと冗談が飛ばされる。ごちゃごちゃしつつも「今日は来てくれてありがとう!」的な挨拶がされ、会場は暖かい雰囲気に。おめでとうマックス!またゆっくり話そうね!

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好機っ!とばかりに、「息子が疲れっちゃったからこの辺で失礼するね!またゆっくりね」と近くにいたマックスに挨拶をして、そのあと何時間か続くであろうパーティをそそくさ後にした私たち。

終わってみれば、なかなか刺激的で楽しいパーティだった。今度マックスにあったらお礼を言っておかなくちゃ。