隣人のオリーブで漬物を
メディチはマメな男である。
私はぐうたらな人間なのであまりあれこれとやったりしないのだけど、彼は好奇心旺盛でいろいろなことをやってみるタイプの人。料理に菜園、日曜大工、ドライフルーツ作り、果実酒作りなどなど…。オタク級ワイン好きと作るのが好きなのが昂じて、自分のワインを作りたくなってしまったのもあってフランスに帰ってきた彼。そんな彼のワイン作りについてもまた機会があれば書いてみたいと思う。
さて、今日は彼の趣味の一つでもある漬物作り。
季節ごとにここ田舎ではいろいろな素材が登場するので付き合わされることもある私はたまに面倒くさいと思っているのだけど、出来上がりは美味しいことも多いので、もう少し気持ちよく協力するべきなのかもしれない。
本日の素材は、オリーブ!
ここプロヴァンスでは10月の今くらいに緑のオリーブが収穫を迎え始め、11月上旬に黒く熟したオリーブオイル用の実を収穫するとのこと。今年は変な年らしく、6ヶ月近く雨がまとまって降らない変な気象にもかかわらず、オリーブはきちんと実をつけているあたり乾燥することもあるこの地域にあった植物なんだと思わされる。
うちのお隣さんは普段はパリに住んで仕事をしていて、夏のバカンスシーズンになるとこちらで何ヶ月か生活しているとても人のいいブラジル人家族(そんな暮らし憧れるよね)。もうすぐ1歳半になる息子のことも可愛がってくれていて、とても懐いていたのだけど、9月にはパリに帰ってしまったので素敵なお宅も今は無人。その庭にある立派なオリーブの木に見事な実がどっさりなっているのでメディチが目をつけた!
え?勝手にとっていいの?という私の疑問はどこ吹く風。さぁパニエ(カゴ)を持って収穫収穫〜
大きな実がどっさり!まず選別作業
さてまずは選別。そのまま漬けるタイプと、潰して漬ける2種類の方法を今回はやるとのこと。色が変わり始めているものと、まだ綺麗なグリーンの物を分ける。
息子が近くをちょろちょろしているので作業しにくそうなメディチ。「大変そうだね〜」と写真だけ撮る母。しまいには選別し終わったオリーブを息子が混ぜ始めて作業はカオスっ!続けるほど仕事が増えてエンドレスなので、後半はやや適当になって選別が終了。
色がつき始めた方を潰す
色が変わり始めたオリーブの方は、潰して漬けるのでその辺に落ちてる手頃な石を台にしてひたすら潰す。ぷちプチと潰されていくオリーブたち。この石についた汁を少し舐めてみると、まさにバージンオイル!な苦味のある緑がかった味がした。当たり前だけど、オリーブオイルってこれからできてるんだねーっとプチ感動。
たっぷりの水に漬ける
ボールに水を張って漬ける。水に浮かぶオリーブのグリーンが鮮やか!水に漬け込むのはアクを抜くため。グリーンは10日間、潰した方は1週間毎日水換えが必要とのこと。忘れずにできるのかメディチ!
アク抜き終了。本漬け
たまに水換えを忘れた日もあったけど、アク抜きが終了。本漬け用のマリネ液(塩水)を注ぎ入れる。瓶の中にはレシピによればフェンネルが必須らしいのだけど、今回は用意できなかったのでタイム、ローリエ、丸胡椒を入れてみた。
出来上がりはどんなものになるんだろう…うまくいくといいけど!
作り方まとめ
メディチが参考にしているレシピを掲載!ちなみに、まだできていないので味の保証はございません。作り方も同じみたいだけど違う部分は色を変えてみたよ。
A そのまま漬けるオリーブ漬け(グリーンな実)
- 10日間毎日すすいで水を変える
- 水1リットルに粗塩40〜60gを入れて鍋で加熱、塩が溶けたら火から下ろして冷ます
- 冷めたら瓶にオリーブ、ハーブ(フェンネル、コリアンダーシード、エルブドプロバンス等)を入れる
- 冷暗所で保管
- 3ヶ月で出来上がり
B 潰して漬けるオリーブ漬け(色が変わり始めた実)
特徴:柔らかくなる。完成後は約半年で食べきるべき
- 7日間すすいで水を変える
- 水1リットルに粗塩40gを入れて鍋で加熱、塩が溶けたら火から下ろして冷ます
- 冷めたら瓶にオリーブ、ハーブ(フェンネル、コリアンダーシード、エルブドプロバンス等)を入れ蓋は皿を置くくらいで、冷暗所で保管
- 3週間でできあがり
漬物全般に言えるけど、やってみると以外とシンプルなものが多いよね。シンプルなだけに微妙な違いで結果が違うのでそれも面白いところかも。家や近所のオリーブの木に実がなってたらやってみてはいかがでしょ。